桜井芳生 著作権保持001102 Yoshio SAKURAI all rights
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【主要命題】
・今すぐ申し込むこと(ただし受験地に注意)が、最重要である。
・トーイックを受け続けることが、英語ができるようになるための、ほとんど必要・かなり十分、な条件である。
・「トーイック・フレンズ」の「聞きながら・(見ながら)音読」が最終兵器である。
・「受験勉強」をすれば、点数はあがる。が、「教材英語」はほどほどにすべきである。
・トーイックのスコアで「選別(排除)」されないように、いますぐ「ノリ組」になろう。
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001018桜井芳生です。こんにちは。先日のTOEICで、やっと825点のスコアをとることができました。なんか「年々、相場があがっている」感じですね。いまや、900点ないと、「できる」とか「大学教員としてはずかしくない」とはいえない感じになってきましたねぇ。
とはいえ、以前からの読者の方はご存じのように、この825点には、私なりの「血と汗と涙のものがたり?」があります(過去稿ご参照)。ということもあって、「成り上がりのサンプル」として、TOEICの勉強法について相談を受けることが多いです。ので、ここでまとめてのべておきましょう。
(TOEFLについても相談を受けることがあります。私自身TOEFL受験の経験があります。基本的に以下と同様でOKだとおもいます)。
(英語習得の必要性問題に関しては、別稿を準備中です)。
【TOEICを自費で受けつつけることが、英語習得にとって「ほとんど必要」「現実上・かなり十分」な条件である】
まず、話の前提ですが、日本のフツーの学生さん・社会人のかたの英語習得にとって、TOEICを(できたら自費で)うけつづけることが、「ほとんど必要」「現実上かなり十分」な条件だといえるとおもます。
人間はそんなに「意志の強い動物」ではないので、「なにかに迫られない」限りは英語学習なんて辛気くさいことをつづけられないとおもいます。英語の必要に強く迫られていない方は、ほとんど毎回TOEICをうけつづけないかぎり、途中で、「立ち止まってしまう」「勉強しているつもりでも、マンネリで、のびなやんでしまう」ということになりがちだとおもいます。つまり、TOEICをうけるつづけることは「ほとんど必要」だとおもいます。
もちろん、たんにTOEICを「受けるだけ」ではあまり英語はのびないでしょう。が、「自腹でうけつづけさえしていれば」、受験料のもとをとろうとして、なんとかしてスコアアップをめぜすようになるでしょう。この意味で、TOEICを受けることは、現実上・英語習得の「かなり十分な条件」になるといえるでしょう。
というわけで、【「とにかく受け続ける」のが、まず第一に重要】、だとおもいます。
【まずは、今すぐ申し込む】
これもいつもいうことですが、TOEICを受けたことのない方は、いますぐまずは一回受験申しこみをしてしまう、のが重要だとおもいます。(ただし、「地方」の方は、次回、ジモトで受験できるか、確認すること)。
「いま、勉強しています。できるようになったら受けます」というひとがけっこういます。が、【そんな人で、実際に受けた人をみたことがありません!!】。
まさに、【締め切りなくして、仕事なし】です。まずは、もうしこんで、「締め切り」をつくってしまいましょう。
初回は、惨憺たる結果になるでしょう。が、【その苦い経験が最大のエネルギー源になる】とおもいます。本稿のとおりトレーニングすれば、「二回目、100点アップ=リベンジ!」も、十分可能です。
【教材は、「TOEIC Friends」がおすすめ】
つぎに、教材が、問題になるでしょう。隔月刊ででている「TOEIC Friends」をおすすめします。
第一理由。本誌は、TOEIC運営委員会から資料提供されている準オフィシャル雑誌です。本番と同じ問題がでているかどうかわかりません。が、なんとなく他の出版社のより、信頼性があるような気がする。ので、おすすめです。(「つらい勉強」をつづけるさいには、この種の「信用問題」はけっこう重要です)。
第二理由。CDつきで一回分の模試がついていて比較的安い、とおもいます。
第三理由。何百問もある問題集は、一見すると「お得」のようにみえます。が、そのようなテキストは「なかなかおわらなくてつらい」とおもいます。本書は、「一回分」なので「あげる」のが心理的にラク、だとおもいます。
第四理由。項目別の問題集・参考書も、一見良さそうに見えてこれも「なかなか終わらなくて、つらい」とおもいます。「TOEIC Friends」を、「一回分」あげれば、「とりあえず、穴をつぶした」ということで「安心」できる、とおもいます。
というわけで、教材としては、「TOEIC Friends」をおすすめします。【友達同士で「違う号」を買って「つぶしたら交換しあう」】、といいとおもいます。
【「パート2・3」を「20分テープ」におとして、「シナリオを見ながら、聞きながら、音読」が最終兵器】
ほとんどの日本人にとって、リスニングの「パート2」(ならびに3)をどうのりきるかで、その回のテストの出来が左右されるとおもいます。
パート2(問題文なし音だけでの応答問題)ですが、「アメリカ人にとってはあたりまえ、日本の学校英語ではきいたこともない」ような表現がよくでます。ので、聞き取れないものは、何度聞いてもわからないとおもいます。ですから、はじめから、「シナリオ」(「TOEIC Friends」の冊子)をみながら、音を聞きながら、「音読」するといいとおもいます。
ただ聞いてもじつはあまり集中していなかったりするので、シナリオをみていいですから、テープにあわせて【必ず、音読】するようにしましょう。
TOEIC FriendsはテープでなくてCDですので、融通がつきにくいので、カセットテープにおとしてから聞くと便利だとおもいます。(パート2と3あわせて、20分テープに入る、とおもいます)。
まとめると、【20分テープにおとして、聞きながら、シナリオを音読】、するわけです。これを、十回から数十回繰り返せば、「それまで全然ききとれなかった英音が、パッと聞き取れるようになる」、とおもいます。
リスリングの最後の「パート4」も基本的に同様なやりかたでいいとおもいます。
【「パート5・6」(語法・文法問題)については、「×○をつけながら、まずは一回分、つぶす」】
リーディングの「パート5・6」(語法・文法問題)ついて。これも、「専門の教材」をやりたくなるでしょうが、上記のように「一冊あげるのは、しんどい」とおもいます。
ので、「TOEIC Friends」を「一回分あげて、まずは安心」しておくのがいいと思います。
「自信のない人は、あらかじめ一度答え・解説をみてから」「自信のある人は、はじめから問題だけをみて」、問題を解いてみて【できた問題には○をつけて、全問に○がつくようにつぶしていく】、といいでしょう。
「まずは一回分つぶし」て、さらに余力があったら、「もう一回分」、、、というようにして、三回分・四回分、、、とつぶしていくと問題をみた瞬間パッととけるようになっていく、とおもいます。
【「パート7」(読解)には、「ウラ技」あり!】
「パート7」の読解問題を不得意にしている人が多いようです。本番の時に、「パート7」が「終わらない」人も多いようです。
じつは、パート7については、強力なウラ技が存在します。
まず、対応する「正答と解説」の部分をコピーします。で、【訳文の方に先に目を通して】、本文(英文)もみて、「なるほど、こーんな文章がでるのか」と、「慣れて」しまいましょう。知らない単語があったら、「電子辞書」でも引いてこれにも「慣れて」しまいましょう。
TOEICのパート7については、文面にかんしても単語に関しても、非常に「強い傾向」があるとおもいます。
つまり「経済・実業」英語のつもりなのでしょう。
これは、ふつうの日本人が学校でならう英語とかなり違います。(TOEFLについても、同様の事がいえる、と思います(傾向は違う、が))。
ので、とにかく、【はじめから、訳文をみて、訳語をみて、慣れてしまう】、のがいいでしょう。
これも、「まずは一回分つぶして」、二回分・三回分、、、とつぶしていきましょう。【似たような文章・同じ単語が頻出】するのでびっくりするでしょう。
これをしたあとで、パート7については、【本番の回数をこなす】、のが効果が大きいとおもいます。本番では「時間に迫られている」ので、スピードがつく、とおもいます。
以上を繰り返していくと、本番でも、パッとみた瞬間、【設問と回答枝の方からみて、本文のなかから該当部分をさがしだして、全部読まないでサッサと答えて、つぎにすすめる】ようになる、とおもいます。
【受験勉強すれば、スコアはあがる。しかし「教材英語」はほどほどに、、、】
さて、以上、教材としては、たったひとつ、「トーイック・フレンズ」にのみ言及してきました。これは、とくに二つの理由があってのことです。
第一は、「トーイックも試験です」ので、「受験勉強」として対策をたてるほど点数があがる、という理由です。そのための、ベストと思われる教材を「名指し」でひとつ強調したつもりです。(あと、「トーイック対策塾」として、独特の興味深いメソッドを多用している「ネイプル外語学院(電話099?206?3544)」(鹿児島市)をご紹介します)。
第二は、これと一見相対立しますが、「教材英語ばかりやるな!」ということです。「トーイックも試験です」。試験としてはかなりよくできていますが、やはり試験は試験にすぎません。実際の英語の運用力とは、微妙にことなります。
ので、「教材英語」は「トーイックフレンズ」ぐらいに「とどめて」、ほかは、なるべく「ナマ英語」に近いものにふれるようにおすすめします。
以前からのべている「海外短期語学研修」「CNNテレビをみる(鹿児島大学学内の端末からは、 http://mmserv.kagoshima-u.ac.jp/media/cnn.ram で、ただでCNNインターナショナルが見れます)」「CNNイングリッシュエクスプレス(朝日出版)を、聞く・読む」「月謝ポッキリ料金の英会話教室にいって、とにかく場数をこなす。(ごぞんじのように私は「月謝9500円ポッキリで、何回通ってもよい Conversation Cowboys」 ( http://www.synapse.ne.jp/endeavor-bp/synapse-auto-page )に通っています)」「どうせ読み通せなくても、アマゾン・ドット・コムで、洋書を買う」「英語のホームページをみる。英語のeメールを書く」などは、この理由でおすすめしているのです。
英語の勉強というと、すぐ「よい教材は?」とハナシが進む場合がおおいので、私は非常に危惧しています。「教材」でなくて、「ホンナマ」をやりましょう。
【トーイックのスコアで選別(排除)される?】
別稿で述べるつもりですが、近未来の日本では、たとえ職場でほとんど英語をつかわなくても、トーイックのスコアで「選別(排除)」されてしまう可能性(危険性)が高まっているとおもいます。ぜひ、みなさんも、【まずは、今すぐ申し込んで】しまって、トーイックにたいして、「ノリ組」になってしまうことをおすすめします。
【まとめ】
・今すぐ申し込むこと(ただし受験地に注意)が、最重要。
・トーイックを受け続けることが、英語ができるようになるための、ほとんど必要・かなり十分、な条件。
・「トーイック・フレンズ」の「聞きながら・(見ながら)音読」が最終兵器。
・受験勉強をすれば、点数はあがる。が、「教材英語」はほどほどに。
・トーイックのスコアで「選別(排除)」されないように、いますぐ「ノリ組」になろう。
(ご教示くださった皆さんに、感謝します)。