TOEIC【350点】加点法 980327
―リピーターウォークマン、と、アンチョコ聞き、が最終兵器―
            桜井芳生(著作権保持)
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【TOEIC750点突破!】

先日のトーイックで、やっと念願の730点を突破して、750点のスコアを得ることができた。

おもえば、二年前のTOEIC模試で【390点!】のスコアをとってから、つらく険しい道であった??。

大学教員として800点ないのは、いまやはずかしい状況だ。が、おそらく、多数の人は、400点台〜500点台〜600点台で、苦労なさっているところと思われる。

私のような非専門家が、片手間で、750点までいったくだりは、多くの人に参考になるとおもう。

私自身の体験をもとに、効果的な英語学習法への私見を書いてみたい。(最近、似たような書名の本がでた。が、その本の著者はもともとかなり英語力があったのではないか、と私には思える)。

ただ、このような文章を書くと、1,「片手間でなく英語を勉強している」英語の専門家から、「いや、こうして勉強すべきだ」(悪い意味での理想論?)、とか、あるいは、2,かならずしも、その勉強法を実践して成果がいまだあがっていないのに、「いや、こうして勉強すべきだ」(悪い意味での理想論?)、とかいった反論が予想される。

本稿は、あくまで、「片手間勉強家」の「実体験」にもとづく、文章である。「理想主義的な専門家の理想論」との論争、「実体験にもとづかない理想的勉強法」の唱道者との論争、は、遠慮させていただく。

【いますぐ、TOEICを申し込もう】

TOEICの試験内容それ自体には、いろいろと不満もある。しかし、現代日本にこれだけTOEICが普及した(普及しつつある)、ということは、私は非常に高く評価している。

いままで、日本の英語教育は効果が低いと定評があった。しかし、TOEICの普及によって、日本の英語教育の問題のかなりの部分は解決されてしまった(解決されうる)、と考えている。

大学受験までは、旧来の「英文解釈」「和文英訳」の学習を中心にしてしっかりやり、発音記号を核にして発音練習し、ディクテーション(リスニングの書き取り)をしっかりやり、できたらネイティブスピーカーとちょっとおしゃべりしておく。

大学に合格したら、今度はTOEICを学習の中心にして勉強し、ごく少量でいいから、英文和訳と和文英訳をしっかりやり、ちょっと英会話レッスンをうけ、ときどき英語圏に旅行をすれば、

いままでの、日本英語教育の不評はかなり解消するのではないか、と思っている。

(さらに、日本の英語教師全員にTOEIC受験を義務づけてそのスコアを公表すればさらに事態はよくなる、とおもう。)

コツは【大学に合格したら、TOEICを中心にすえる】ことである。

英語関連を「専攻」にでもしていないかぎり、ふつうの日本人が思いついたようにちょっとやそっと英語を勉強したとしても「英語力が、あがっているのか、さがっているのか」すらわからないからだ。

がんばって少し英語力がついたとしても、少し気をゆるすとあっという間に、力がおちてしまうからだ。

この点、TOEICは、スコア(点数)方式なので、点数をちょっとでも上げよう(下げまい)としてがんばりが続きやすい。また、現代日本実業界での「事実上の標準」なので、人との比較がやりやすい。知り合いと点数を競うのはとてもやる気がでる(私自身、じつは、高校以来の知人が730点とっていたので、何とか730を越えたかった)。

第二のコツは、【いますぐ、TOEICを申し込む】ということだ。

多くの人は、「勉強して力がついてから受けよう」と思う。しかしそれでは【いつまでたっても受けられない】。

むしろ、いますぐうけて【一度、悪い点数をとっておく。すると、あとは上がる一方である】。

(ただし、やがてスランプ(プラトー)がやってくる。しかし、これがチャンスだ。伸び悩みのあとで、ジャンプアップするのが定番パタンである。私も、今回の750の前には、しばらく、680前後で低迷していた)。

【「とにかく聞き続ければ、聞き取れるようになる」ことはなかった】

通常の日本人にとって、TOEICに関しての最大の問題は、リスニングだろう。

リスニングに関しては、「とにかく聞き続ける」(ヒアリングマラソン広告文より)というのが、最近流行の「常識」のようである。

で、私も、「とにかく聞き続け」てみた。

が、量がすくなかったのか、私にかぎっていえば、聞き取れないものは、いかに長時間・何回も聞いても、聞き取れるようになることは、ほとんどなかった。

【アンチョコ聞き、が、おすすめ】

で、現在の私のおすすめは、2〜3回聞いても聞き取れないものは、さっさと「英文」をみてしまう、ということである。

すると、何だ、こんな簡単なことを言っていたのか、と思うことがよくある。

一度英文をみてから、また聞き直すと、当たり前のようによく聞き取れるのである。

これをわたしは、さっさとアンチョコをみてしまう、というわけで「アンチョコ聞き」と呼んでいる。

【リピーター・ウォークマンがおすすめ】

リスニング教材というと、例のヒアリングマラソンも含めて、1時間程度のテープやCDが多いようだ。とくにCDでは、かなり長いブロックを分けて聞くことすらできないものが多いようだ。

しかし、私としては、ほとんどワンセンテンスごとにしっかり確認していった方が、効果が大きいと思う。

というわけで、「超!」おすすめなのが、ソニーの、リピーター・ウォークマン(わたしが持っているのは、TCM-R3)である。

これは、メモリーが内蔵されて、直近の「4秒〜16秒」を無限回繰り返してくれる、というものだ。

これを使って、TOEICを「一問ずつ」繰り返させて、確認していくと、「ウソのように聞き取れていく」ものである。

【お昼を食べながら、2〜3問つぶしていく】

というわけで、最近の私のリスニング勉強法を書いてみよう。

昼食まえに、「TOEIC模試」の問題から、初めて聞くリスニング問題を2〜3問だけ、聞いて、ノーヒントで、回答してみる。

答え合わせをしたら、食事をはじめて、食べながら、例のリピーターウォークマンで、くり返して聞いてみる。

2〜3回繰り返して聞いてもわからなければ、【繰り返し再生をさせたまま】テキストの英文をみる。
みながら聞く。

食べながら聞く。

こうしていると、あっという間に、一つの問題について30〜40回も、繰り返して聞くことになる。

で、気が向いたら(依然としてテレコは繰り返し再生のまま)なにもみないで、紙に英文を書き取ってみる(ディクテーション)。

このディクテーショントレーニングは非常に効果があるので、ぜひおすすめする。

よく、細部にこだわらずに、全体やキーワードを聞き取れ、という。

しかし、一字一句まで聞き取れないと、最終的には、使いものにならない。たとえば、「ビョーイン(病院)」と「ビヨーイン(美容院)」とを聞き分けられずに日本語ができるといえるだろうか。あるいは、「not」の短縮形の「n’t」の有無だけで全体の「主旨!」が反転する場合がある。

そのためには、ディクテーション(書き取り)をしてみるのが一番よい。

(が、最近はズボラして、書き取りまではあまりやらない)。

この作業をすると、はじめは全く聞き取れなかったものが、全く当たり前のように聞き取れるように、なる。

あと、【シャドーイング】(テープの英文にあわせて自分も発話してみる)も効果が高い。

(ちなみに、平均的な日本人は、TOEICの「パート2」の出来のよしあしで、その回のテストの「調子」が左右される。よって、【パート2に重点をおいて】リスニング演習をするといいだろう)。

【すでに、アンチョコ聞き、が済んだやつを、「ながら」で聞き流す】

で、このように一回アンチョコ聞きを済ませて「聞き取れるようになったテープ」を、ウォークマン(これはふつうのでよい)にいれて、道を歩きながら、とか、家で腹筋運動しながら、とか、とにかく「ながら」できく。

ちなみに、ウォークマンは「スピーカつき」を強くおすすめする。自宅で、「ながら」で聞くときにすごく便利です。

【教材は、「TOEIC模試」がおすすめ】

教材はいろいろ工夫がしてあるやつ【ではなくて、ただ単純なTOEIC模試】の方をおすすめする。「工夫してある教材」だと一冊あげるのに苦労する。が「模試」だと、一回分あげるのはさほど苦ならない。「3回分つぶした」「6回分つぶした」となると「達成感」がある。ただし、英文・単語・訳文を詳しく説明しているものをえらぶこと(辞書を引かなくていいので)、(アルクの「TOEIC模試600問」とか)。ただし、最近はCD版が多いので、注意。上述のリピーターテレコを使うためには、カセット版を買うこと。

【文法・語法問題は、模試を「3回分」ぐらいつぶす】

文法・語法問題(パート・5、6)に関しても、すでに入試英文法の知識のある人は、それ専用の教材ではなくて、「ただ単純な模試」がいいだろう。できなかったところに印をつけて、解説をよく読んで、できるようになるまで、「つぶし」ていけばよい。模試「3回分」ぐらいやれば、かなりできるようになるだろう(わたしは、都合、模試「6回分」ぐらい「つぶし」た)。

【読解問題対策はほとんどしなかった】

読解問題(パート・7)対策は、最近はほとんどしていない。

正確な英文和訳力があれば、受験直前に時計で時間をはかりながら模試をやってみるとか、実際に何回が受けてみるとかすれば、かなりすんなりと速読力は身に付くように感じている。

ただし、これは正確な英文和訳力を前提にしている。ごく少量でいいから、英語が正確に読める人と、定期的に英語を読む勉強会をすることを強くおすすめする。

【インターネットの英語を読む】

あと、効果があったのかどうかわからないが、できるだけインターネットから英語をダウンロードして読む(というより、「ながめる」程度)ようにしている。

インターネットは、日本人の多くと英語との関係に関して画期的だ。これによって、ほとんどの人にとってはほとんどはじめて身近に英文にふれることができるようになった。

【その他のおすすめの教材】

トーイックの成績だけを考えると、上述のように、「ただ単純なTOEIC模試」が結局は一番効果が高いようにいまは感じている。

しかし、トーイックはあくまで手段であったはずだ。また、模試ばかり聞いていると飽きてくる。

で、他にもいろいろな教材を試してみたが、おすすめできるものはほとんどない。

例外的におすすめできるのが、「スピード・ラーニング」のテープである。よく新聞に広告してある「一日5分間ただ聞き流すだけで、英語がペラペラになる」というやつだ。(電話0120-015560)

これは、英語→日本語対訳式のテープで、いちいち台本をみなくても理解できることが利点だ。

「一日5分間ただ聞き流すだけで、英語がペラペラになる」とは、思わないが、たしかに聞き流しているだけで、かなり英語が聞き取れるようになる。

ただし、台本があまり私好みでない。

あとおすすめできるのが、朝日出版社から毎月でている「CNN English  Express」である。実際のCNNの番組を台本・テープ化したもの。ヒアリングマラソンのイングリッシュ・ジャーナルのたぐいだが、イングリッシュ・ジャーナルは、話題がつまらなくまたスピードも日本人向けのような気がする。「CNN English  Express」の方が、スピードの点でも、話題の点でも、私好みである。が、TOEIC500点台ぐらいの人には、「CNN English  Express」はまだちょっと距離がありすぎて効果がうすいかもしれない。
 

【まとめ】

TOEICをいますぐ申し込む。

★リピーターテレコでの「アンチョコ聞き」が最終兵器★。

教材は「ただ単純な模試」(カセット版)がおすすめ。

文法・語法は、模試を3回分つぶす。

英語を読む会が、おすすめ。

インターネットの英文を読む。

スピード・ラーニングはよい。

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