地方でねらえ!。留学奨学金。

桜井芳生(著作権保持)2001年12月1日 (Yoshio SAKURAI  all rights reserved  2001/12/01)

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010607【地方でねらえ!。留学奨学金。】

010607みなさんこんにちは。桜井です。例によって(ただし今日は)ロンドンにいく途中の乗り換えで一泊しているソウルのミョンドンロ(韓国の「センター街」?)のホテルで書いています。(夕食をとりに入ったホテルのレストランでは、ステージの上で女性の若い歌手?が、尾崎豊の「I love you」の韓国語バージョンを歌っていました)。

010607今日述べてみたいのは、【「地方」でねらえ!、「留学」奨学金】ということです。

010607私の今回のロンドン留学は、鹿児島県育英財団さんのご援助(奨学金)を得てのものです。また、昨年、事情があって(というか、私自身のミスで)、「辞退」してしまいましたが、ロータリー財団さんの海外留学奨学金にも内定をいただきました。

010607また、過日、おなじコースに所属している3年生の学生さんが、鹿児島県内のある市の海外留学派遣奨学金に内定し、秋から一年間ロンドンに語学留学されることになりました。

010607さらに、この同じ奨学金は、昨年は、同じコースにご所属の院生の方が、獲得されてすでにロンドンで勉強されています。
 

010607というわけで、こうふりかえってみると、自分をふくめて私の周りでは、まあまあ留学奨学金を得ているケースが多いようです。とおもって、ふりかえってみると、少し「留学奨学金」を得る上でのコツのようなものがおもいあたります。

010607あくまで私の周りの少数のサンプルからの意見ですが、留学奨学金を得るためのコツについて少し述べてみましょう。
 

010607【求めよ。さらばあたえられん。(せずんばあたえらず。)】

010607まず第一に重要なことは、いうまでもないことですが、どうしても、外国留学してやろうという情熱と実行です。私が奨学金をえてイギリスに行くと言うと、「いいなあ」というひとがおおいです。が、そんな人の大部分は、自分では、なにもしていない人たちです。【そんなアナタに、「いいなあ」なんていわれるスジアイはありません】。自分のことなのでいいにくいですが、私が、ロータリー財団さんと県育英財団さんの奨学金を得るまでには、およそ、30程度の財団にアプローチしました。
 

010607【情報戦を、「自力で」勝ち抜く】

010607第二に重要なことは、どのような財団さんが奨学金をだしているかを【自分で】十分しらべることです。奨学金のように「おいしい話」は、だれもおしえてくれません (知っている人が多くなるほど不利な情報だから)。ですから、あなた自身が、自分の手で探しまくることが重要です。

010607とくに、自分と似たような条件の人がなにか奨学金を得てどこかに留学したという噂を聞いたら、決して逃さすに、どこの財団で、締め切りはいつで、採用の決め手はなにかをおしえてもらいましょう。
 

(人生で一番バカらしいこと、それは、「締め切り」を逃すこと)。

010607かならずしもご自身のまわりに、奨学金を得た方がいないかもしれません。そのような場合には、インターネットを利用しましょう。いま、旅路の途中なので、失念してしまいましたが、日本語のインターネット内にも、留学奨学金情報の「センター」にあたるサイトがありますので、さがしてみてください。

010607また、留学奨学金の情報を一冊にまとめた本も、そのセンターから出版されています。(以上二点に関しての私桜井へのお問い合わせはいまのところお断りします。ご自身で調べてみてください)。

010607また、英語圏では、このような奨学金情報の「センター」化はネット上で非常にすすんでいます。そのようなサイトをさがして、自分の条件をいれてみると自分にあった奨学金の情報をえることができるでしょう。
 

010607ただし以上のような「センター」の情報は、かならずしも網羅的なものではありません。ので、それ以外にも、いわば「一本釣り」で、ネット上で探しまくりましょう。

010607「留学」「助成」などのキーワードで、検索すると、主催財団さんそのもののページがヒットしたり、あるいは、どこかの大学の事務上のサイトあたったりします。(以下のハーバードの件は、日本のある大学の助成事務用のホームページでみつけました)。
 

010607【とはいえ、現実的な案件は少数】

010607とはいえ、さがしてみると、現実的に自分が助成を得られる可能性がたかい案件は、ごく少数でしょう。まあ、ロータリー財団の奨学金と地方自治体関連の助成ぐらいでしょうか。(それ以外は、モーレツに倍率が高くなる)。

しかし、その他の案件も、倍率が高いからといって、「パス」ばかりしないように。
 

たとえば、わたしは、ハーバード大学の「エンティン研究所」の留学助成に応募しました。毎年アジア人少数が助成されるのですが、ほとんど「あたらないだろうなあ」とおもって申請しました。

ある日、当研究所からFaxがきました。選考の面接をするので、指定の日時に東京のホテルに来いというのです。

行こうかどうしようかまよいました。が、せっかくのチャンスを逃す手はないとかんがえて、そのためだけに、飛行機にのって東京にいきました(もちろん、交通費はでません)。

で、東京のホテルの一室で、ハーバードの中国系(?)の先生から英語で面接をうけました。

結局、この件は、落ちてしまいました。が、それ以来、英語の選考面接もあまりこわくなくなりました。

鹿児島県育英財団の英語面接が比較的うまくきりぬけられたのは、このハーバードの面接の経験があったからだとおもいます。

というわけで、【たとえ、無理めの件でも、それに申し込むこと自体が、大きなトレーニングになるので、「自分からパスせずに」どんどん、挑戦しましょう】。

たとえ何回落ち続けたとしても、経験にこそなれ「失うものはなにもありません」!!
 
 

010607【その財団が、「なにを望んでいるか」をかんがえる】

010607これもいうまでもないのですが、それぞれの財団には、それぞれの「目的」があります。したがって、その財団の目的に沿った人ほど、奨学金を得やすいわけです。

010607しかし、じっさいには、そのような「財団側の思惑」に気が回らずに、「ただたんに、私はイギリス(アメリカ)にいきたいんです。でもお金がないんです」というった「自己チュー」的「志望動機」に終始するひとが多いようです。

この点ぜひ、注意して、「その財団の目的が望む人材像」にあうようにしてください。
 

010607【「身だしなみ」もかなり重要】

010607これは聞いた話ですが、奨学金の選考面接に、ジーンズ姿でくるひとが、少なくないようです。

010607留学とはいうまでもなく、国際親善のひとつです。その留学で、「常識のないような人」「日本人の恥」「その地方自治体(財団)の恥」になるような人が、内定するはずがないでしょう。が、その点、自覚のないひとも多いようです。

010607地方自治体や財団の事務担当者も、基本的にサラリーマンです。「問題」がおきることを一番おそれています。というわけで、くれぐれも「常識のない者」とおもわれないように。

010607面接では、スーツ姿で。女性で、「膝上」のスカートで、「しっかり化粧」して、奨学金をゲットしたひとを知っています。
 

010607【「地方」でねらえ!】

010607さきほどもいいましたが、とはいえ、現実上獲得可能な助成は、ロータリー財団と地方自治体の育英奨学金関係でしょう。

が、これもご存じの方もおおいとおもいますが、ロータリー財団の留学助成は、東京や関東などは、数十倍の倍率のようです。

010607それにたいして、たとえば、鹿児島などですと、ロータリーの助成でも3?4倍程度のようです。
 

010607【TOEFL基準がある場合には、ほとんど英語できまる】

ロータリー財団ですと、英語圏への留学希望の場合には、TOEFLのスコアが要求されます。旧テスト(コンピュータ化以前)の基準では、「550」点が、一応の要求水準でした。

が、TOEFL550というのは、ふつうの日本人にはかなりきつい基準です(TOEIC800ぐらい?)。幸い私は、ロータリー財団さんの選考の直前に、TOEFL550をとることができました。

選考面接の当日、「先日のTOEFLで、550とりました」と選考員の先生方に申し上げてスコアを見せると、「おお、やっと、パスさせることのできる人材がきたか。」という感じで、いかにも「ホッと」されたようでした。その後、面接はたいしてつっこまれることなく、「どうか、向こうにいってもがんばってください」という感じの楽勝ムードで進行しました。

おそらく、鹿児島などでは、TOEFL550をとってくる志願者はあまりいないのではないでしょうか。(東京などではいくらでもいるでしょう)。

というわけで、ロータリー財団さんなどを「TOEFL要求スコアをとって」「地方で」ねらう、というのは、とてもおすすめできる戦略だとおもいます。
 

(この「地方でねらう」というのは、一部ではすでに知られている戦略のようです。鹿児島・ロータリーでも、鹿児島出身の早稲田の学生さんなどが、(東京をさけて)わざわざ鹿児島でアプライしているようでした)。
 

010607【奨学金があたらなくても、いくこと】

最後にいいたいことがあります。それは、たとえ奨学金にあたらなくても、ぜひ、私費でも留学(特に短期語学留学)にいかれることをおすすめします。

勉強というものは、「時間(老い)との闘い」です。「そのうち、奨学金があたったら、、、」とかいっているようでは、あっというまに、「おじさん・おばさん」になってしまうでしょう(光陰矢の如し。学成りがたし)。。たとえ奨学金に当たらなくても自費で、時間的余裕のある学生時代に、短期語学留学でもいいから、留学経験されることをおすすめします。

先日韓国のあるかたと会食する機会がありました。、韓国では「英会話」熱がすごくて、大学生時代に「一年ほどアメリカに留学」するのが、常識のようです。

(ただし、日本人の長期留学にはそれなりの危険があります。日本人の標準的ライフコースからはずれてしまうリスクです。詳しくはホームページの関連拙稿をごらんください)。

【というわけで、失うものはなにもない。と自覚して、自分でチャンスをさがして、たとえあたらなくても自費でいくつもりで、ご自身の留学戦略をおすすめください!!】
 
 

010607【「地方交付金」の見直しとともに、「地方でねらえ」なくなる?】

010607ごぞんじのように、小泉政権によって、「地方交付金」の見直しがすすめられるようです。

010607と関連して、地方自治体の留学助成は今後急速に減っていく可能性が高いです。(じっさい、ある担当者(当事者)の方からそのようなことをうかがいました)。

010607今回の私の助成の獲得はある意味で「滑り込みセーフ」だったのかもしれません。

010607というわけで、「急いで、地方でねらう」べきでしょう。

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