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970314就職【戦友】ネットコネクションの出現（桜井研究所通信）
桜井芳生
970314【主要命題】就職とインターネットについて「予期せざる結果」が生じている。
すなわち、就職【戦友】ネットワーカーズ・コネクション（新しい社会的資源）の出現
である。
最近私は、研究と実益（学生さんの指導のネタ）もかねて、インターネット上での「就 職」関連のサイトを集中的に「あさって」みた。
すると、あさる前には予想していなかったようなことが、ネット上（ならびにそれと連 動してオフラインにおいて）、起こっていることに気づいた。
それは、いわば、「就職【戦友】ネットワーカーズ・コネクション（新しい社会的資源 ）」が出現した、ということである。
就職とインターネットというと、「電子メールで、人事担当と学生がやりとりする」と か、「学生が、自己プレゼンテーションとしてホームページをつくる」とかいったこと が喧伝される。が、じつは、この二点は、少なくとも現在においては、「あまり効いて いない」。とくに、学生のホームページについては、何しろ「本人が、作成したのか確 証が困難」であるので、いましばらくは、就職において決定的要因になるとは考えにく い。
それに対して、「学生どうしの情報交換」にかんしては、ネットは、非常に大きな効果 を発揮した。ご存じように「就職戦線」は「情報戦」である。しかも「水面下であり、 かつ、変化がはやい情報」をめぐる戦いである。 このような情報にかんしては、既存のマスメディアは、あまり力を持たない。非公式情 報はのせにくし、定期刊行物のペースでは、変化についていけない。
それに対して、インターネットは絶大な効果を発揮する。とくにメーリングリスト（登 録者全員に、登録者からのメールが転送されるシステム。事実上の「会議室」となる。 ）と、「就職日記」（あるホームページに、【閲覧者が】自由に、自分の就職活動の現 状・疑問などを書き込み、誰でもが、閲覧回答できるシステム）が、効果を発揮した。
このメーリングリストと、就職日記においては、掛け値なしで「ナマ」の情報がやりと りできるわけだ。
しかも、この二つのコミュニケーションは、いままで、就職活動につきものだった大学 間ギャップ・地方間ギャップを、相対的に弱める力を持つ。
たとえば、鹿児島の学生が、東京在住の学生と伍して、東京の企業に就職しようとする のは、かなりの情報上のハンデがあった。しかし、メーリングリストなどを利用すると 、「同時進行的なムード」に自分ものることが可能である。
このように、インターネットは、就職にかんして、「学生間コミュニケーション」にお いてとくに力を持っていたのであるが、さらにこれによって【予期せざる結果】が生じ つつあるように思う。
すなわち、こうして「就職」を「縁」としてできた「学生間ネットワーク」が、「就職 が終わっても消えない」のである。
ネット上の学生たちは、就職をめぐるネットワーキングにおいて、いわば【戦友】的体 験・コネクションを獲得しつつあるようなのだ。
彼ら自身が言っているように、このネットワークは、彼らが入社したあかつきには、す ぐさま「異業種交流ネット」に転化する。
ある視点からすれば、「会社人間」（あるいはせいぜい「学閥人間」）でしかない上司 たちより、彼らの方が（潜在的には）「世間が広く」なる可能性すらあるだろう。
このような就職戦友ネットワークは、恐るべき可能性を秘めているかもしれない。
というわけで、就職適齢期の学生さんには、声を大にして、「いますぐ、就職をめぐる ネット上のコミュニケーションに参画せよ。これは、【一生の財産】になる」といいた い。
【アクセス先】
これをお読みになって、では私も参画しよう、と思われる方もいるかもしれません。あ くまで、「第一ステップ」のアクセス先を書いてみます。「先」の内容については桜井 は責任を負えません。あくまで「自己責任」で乗り切ってください。
・書籍「学生が書いたインターネット就職本」the 4th waveフォーウェーブ著、毎日コ ミュニケーションズ１９９７
だいたいこの一冊を持っていれば、用は足りるでしょう。本稿もかなり本書を参考にし てします。深謝。
・http://www.jobweb.co.jp/
上述の本の元になったjobweb japanのサイトです。jobweb japanでは、学生の自己企画 によってさまざまなプロジェクトが進行しつつあるようです。あなたも「参画」なさっ てみてはどうでしょう。
・http://www.nara-wu.ac.jp/life/job/
「Job Hunter・就職情報」。奈良女子大のサイト。はじめに注意事項が書かれているの で親切。だいたいここから、つるったぐっていけば用は足りるでしょう。
・桜井からのメール。
ネット上で見つけた就職関係の情報を、ゼミの学生さんに、「同時進行的」「同報的」 に配信しました。「情熱のヤマ」を越えてしまいましたので、今後も配信するかどうか わかりませんが、もし関心のある方は、桜井KYC04273@niftyserve.or.jpにメイルをお 送りく ださい。お約束はできません。
【繰り返しますが、「メーリングリスト（学生主体の）」と、「就職日記」をねらうの が、コツです！】
謝謝！