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私は大学で、「メディア文化論」というものを担当している。
人間文化とコミュニケーション・メディアとの関わりとを探究する学際的な新しい学問
だ。
メディア文化論という以上は、当然「新しいメディア」( いわゆる「電子メディア」)
が文化に与えるインパクトについて関心を持っている。
しかし、最近気になるのは、一見「古いメディア」であるように思われる「文字メディ
ア」のことである。
テレビ・パソコン・電話など、視聴覚に訴える「お手軽」なメディアが現代社会では無
視できない力をもっている。しかし、それにも増して、コンピュータ・テクノロジー(
と
コピーなどのプリント・テクノロジー) の発達に伴って、「文字データ」の重要性が現代
では増大しつつあるのではないだろうか。たとえば、10年まえと比べて、ワープロ・パソ
コン・コピー機の普及のために「文字データ」の流通量は増大したのではないだろうか。
しかし、毎日学生さんたちと接していて感じるのだが、「お手軽な視聴覚メディア」に
は慣れ親しんではいても、「文字」ばかりのメディアは苦手な若者が急速に増大しつつあ
るような気がする。
文字を使いこなせる階級が、文字を使いこなせない階級を「支配」する時代が、再びや
ってきているのではないか。
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