桜井芳生(著作権保持)
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【主要命題1】近未来の日本では、英語の勉強をしつづけているかいなかが、そのひとが上位階級であるかどうかの、しるしとなるだろう。
【主要命題2】英語ができるようになるためには、いますぐお金をためてホームステイすることがほとんど必要。ただし渡米前・渡米中・渡米後も、猛勉強すること。
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980909【ゲームの変容、と、階級の棲み分け的分化】
980909最近、おりにふれていっていることであるが、現在から近未来の日本は高度経済成長の終焉によって、「みんながガンバル」というエートスが衰弱しつつあるようだ。
980909おそらく高度成長期には、競争の敗者に対しても、競争ゲームに参与したこと自体に対する「成長による、配当」のようなものが配分されていたのだろう。これがなくなってしまったのではないか。
980909その結果、現在のゲームは、「全体が大きくならないパイ」を、コストをかけた争奪するのかそれともコストをかけないでおりるのか、といったようになりつつあるのだろう。
980909(進化ゲーム論におけるタカ・ハトゲームのように)もしみんながガンバルなら自分はガンバリのコストをパスしてほどほどで生きていった方が結局はペイする。もし逆にみんながガンバラないなら、自分一人がガンバルと抜け駆け利得が得られる。と、なりそうだ。
で、結局、「ある程度の比率」で「ガンバルひと」(ハイコスト投資・ハイリターン期待、組)と「ガンバラないひと」(ローコスト投資・ローリターン期待、組)との「棲み分け」が大規模に進行しそうな気がする。
980909この「ガンバルひと」(ハイハイ組)と「ガンバラナイひと」(ローロー組)の均衡比率は、アバウトのいって「1対9」あるいはパレートの法則的に「2対8」といったところか。
980909すなわち、「人並み」にやっている限りは、むしろそれは「下位?階級」(ローロー組)のレベルなのであろう。
(このあたりのヨリ精確な議論は、私桜井の論文『情報階級の合理的分化モデル』を御参照してください)。(当論文の要約は、http://ac3.aimcom.co.jp/~sakurai/barake.htmにあります)。
980909こうして、ガンバル階級、と、ガンバラナイ階級、とに分化することがありそうなるとおもう。
980909【むしろ、(日本国内での)「成功」は、ラクになる】
980909ただここで注意すべきなのは、こうして日本国内全体での「競争の強度は下がる」ということである。
980909したがって、「比較上の勝者」になるのは、【高度成長期よりも、むしろ、これからの方が、ラクになる】といえるだろう。(あくまで、日本国内での競争において。世界尺度での競争では話はベツ)。
980909こういうわけで、「地方国立大学の教員」として私はまわりの学生さんに、「たしかに高度成長期のゲームは終わった。でも、そうだからといって、勝負から降りるな!」といいたい。
980909【上位階級の最大の目印は、「英語学習」である】
こういうわけで、近未来の日本においては、ガンバル出世階級(ハイハイ組)と、ガンバラナイ非出世階級(ローロー組)に分化することがありそうだ、とおもう。
で、あるひとが出世階級(ハイハイ組)であるかどうかをみる目印になりうることがいろいろあるだろう。
980909出世階級である目印の最たるものの一つが、「英語の勉強をやっている」ということではないだろうか。
980909「大学に入ってからも(!)」「学校をでてからも」「たとえ強制されなくても」、自分から英語の勉強をしているかどうかで、その人が上述の「ガンバル階級」(ハイハイ組)に属しているかどうかがかなり予測できるのではないか。
980909いうまでもなく、英語ができるようになるまでにはかなりコストがかかる。またできるようになったとしてもそれが「トク」になるかどうか、はわからない。であっても英語の学習をするという「不確かな未来への投資」をするのか、それとも「そんなリターンの不確かな投資は回避する」のか、で、ひとびとは二分されてしまうだろう。
980909翻訳ソフトができつつあるとはいえ、現在においても英語ができるかいなかで、その人の活動できる範囲は【質的に!】ちがってしまう。
980909こうして英語の勉強をしているかどうかが、そのひとが上位階級(ハイハイ組)に属すかいなかのいわば「リトマス試験紙」となりそうである。
980909ポスト高度成長期においても、上位階級に属しようと志のあるかたには、ぜひ英語の勉強をすることをおすすめしたい。
980909【いますぐ、ホームステイの金策をはじめよう!】
980909英語のトレーニング法については、【いますぐトーイックを受ける】【スピードラーニングを聞く】等をおすすめしたきた。
これはこれで正しいといまでも思っている。が、ここでは【いますぐ、ホームステイをしよう】とすすめたい(真理はほとんどの場合月並みである)。
いうまでなくホームステイをしたからといってすぐに英語ができるようになるほど甘くはない。(ホームステイは英語習得に関して「十分条件」ではない)
しかし、日本国内でいろいろやってみても、それは「畳の上の水練」になってしまう場合がほとんどだろう。
やはり、いますぐホームステイを申し込んで「お尻に火をつけて」渡米前にも猛勉強し、在米中も猛勉強し、帰国してもなお猛勉強しないと、なかなかできるようにならないのでないか。(「ホームステイでの猛勉強」「渡米前の猛勉強」「帰国後の猛勉強」は、英語習得のほとんど「必要条件」である)。
というわけで、いますぐホームステイの費用のためのバイトをはじめて、金策のめどがつきしだいホームステイを申し込み、「お尻に火をつけて」渡米前から猛勉強することをすすめてみたい。
(渡米前の猛勉強の支えとしても、トーイック受験・スピードラーニングは有用だろう)。
980909コツは「私費でホームステイすること」である。
各種の奨学金(グラント)等どんどん申請してほしいが、そんなのに「当たったら、行こう」なんてのは、ダメダメ。そんな僥倖(ぎょうこう)(偶然の幸運)をあてにするようでは、夢は実現しないだろう。いますぐ「カタいバイト」でお金をためはじめよう。
【付録】
タカハトゲームの利得行列はたとえば以下のようなものである。(ただし、この数値例では、棲み分け比率は、タカ50%:ハト50%となる)。
タカ ハト
タカ
-1,-1 2,0
ハト
0,2 1,1