桜井芳生
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【主要命題】自・他殺のミームの「謎かけ」という「手口」にたいして自覚的になり、「なぞ解きに夢中になる」習慣を再考すべきではないか。
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970723UFOカルト教団「ヘブンズ・ゲイト」の自殺事件や、「酒鬼薔薇聖斗」の殺人事件の報道を見ると、今や、現代は、「自・他殺」のミームが、「コミュニケーションネットワーク上にばらまかれた」時代である、といえそうだ。
(970723ちなみに、コミュニケーションネットワークの中で、もっとも、「負の影響」を与えているのは、インターネットよりも、ホラービデオよりも、「マスコミ」ではないだろうか。)
(ミームとは、「利己的遺伝子」論のドーキンスが提起した概念で、人間たちを複製上の媒介者としつつ、人間たちの間を「普及」していくような「模倣的」な「利己的自己複製子」のこと。具体的には、流行歌・ファッション・思想・宗教・学説・習慣など。詳しくは、桜井のホームページにリンクしてあるミーム関連ページをみよ。)
970723この「自・他殺のミーム」において、注目すべき「手口」は、「謎(かけ)」という手口である。ヘブンズ・ゲートの際には、「ヘール・ボップ彗星」云々との関連が取りざたされた。酒鬼薔薇聖斗の場合には、彼の「ノート」にかかれているという「神」や「儀式」やその名称に関する「謎」にわれわれは、「誘惑」されてしまう。
これらの「謎」はとかれる保証はないし、とかれたとしても宮崎勤事件やオウム事件を想起してみると、「オタクの外部」の人間にとってはたわいもないものである可能性が高い。しかし多くの人は、「なぞ解き」に夢中になってしまい、この結果、テレビでの放映時間は、長くなり、ミームは、それだけ多くの「種まき」に成功することになる。
970723そろそろわれわれは、自・他殺のミームの「謎かけ」という「手口」にたいして自覚的になり、「なぞ解きに夢中になる」習慣を再考すべき時にきているのではないか?。