孔子の「再思斯可矣」
桜井芳生

sakurai.yoshio@nifty.ne.jp
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私のような若輩者(33 歳) が
言うのも恐縮だが、仕事をテキ
パキこなすうえでの、あるいは
、人生をよりよく生きていくう
えでの、一つの「呪文」を紹介
してみたい。
孔子の言葉「ふたたびせば、
これ可なり( 再思斯可矣) 」(
論語巻第三20) である。
「季文子は三度考えてからはじ
めて実行した。先生はそれを聞
かれると、『二度考えたらそれ
でよろしいよ』といわれた」(
岩波文庫)というハナシである

ものごとを慎重に実行すると
いうのはもちろん重要だ。しか
し、われわれは、「慎重にしよ
う」としすぎて、「もう一度よ
く考えてから実行しよう」と考
えて、結局は決断・実行しない
ことが多いのではないだろうか

孔子のこのアドバイスは、現
代社会科学の視点からも支持で
きる。経済学に「限界効用逓減
」という法則がある。人間が行
うことの多くは、一番はじめは
効用( 効果・利得) が大きいが
、くりかえしていくとだんだん
と効用の増え方が減っていくと
いう法則だ。
決断するまえの考慮にしても
繰り返し考慮していくと、だん
だんとその効果は減っていって
しまう。
二回考えて決断しない人は、
三回考えても決断しないだろう
し、三回考えて決断しない人は
、四回考えても決断しないだろ
う( 以下同様・・) 。
その点、孔子さんが「二回考
えればいいよ」と言ってくれて
いるのでフンギリがつく。
ヘタをすると、われわれの人
生というものは「あれをしよう
か。やめようか」と悩んでいる
だけで終わってしまう。
あなたも、「二度考えて」、
何かを、「今すぐ」、実行して
みてはいかがだろうか。
 
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