論文ってこんなもんだい
       桜井芳生

sakurai.yoshio@nifty.ne.jp
http://member.nifty.ne.jp/ysakurai/
 
私が学生さんに論文指導をす
るときに、必ず紹介する本があ
る。
駿台文庫の『論文って、どん
なもんだい』という本だ。
学生むき・研究者むきの論文
の書き方に関する本がたくさん
あるのに、あえてこのような「
学参モノ」を勧めるのには当然
理由がある。
他の多くの類書は、細かいテ
クニックやお作法がこまごまと
書かれいて「論文とは『何』な
のか」がわかりにくい。
しかし、本書は、テクニック
やお作法を一切はぶき、「論文
とは『何』であり、」そのため
にあなたが書く文章が「どう」
でなければならないか、が明確
になっていると思うからだ。
本書によれば、論文とは、「
『問い』にたいする『答え』と
しての、自分の『考え』を述べ
、その『考え』が読者によくわ
かるように『説明』を加えた文
章である」というものだ。
あなたが書く文章は、「問い
」と「答え」が、明確になって
いますか?。
本書の第二の特色は、「論文
構造設計表」の提案である。論
文を書く際に、まず「主要問題
」を書き、その下に筆者の「回
答( 主要命題) 」を書き、その
下に副問題を書き、その下にそ
れに対する回答を書き・・・と
いうように、「問い→答え」「
問い→答え」の「ひとりキャッ
チボール」をしていくと、ア〜
ラ不思議。「ひとりでに」論文
の骨組みができてしまう、とい
うものだ。
設計表をつくることで、「問
い」と「答え」が明確になるわ
けだ。じつは、私もいま論文構
造設計表にもとづいて、この文
章を書いている。
あなたも、論文構造設計表を
つくることで、「論文ってこん
なもんだい」と体得してほしい

 
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