桜井芳生
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【主要命題(仮説)】「予期済みリザーブ結婚母子戦略」が高頻度化するだろう。
970306いわゆる女性の「社会進出」にともなって、専門的な職業につく女性が増えているだろう。その女性のかなりの部分は、結婚をやがてし、そのまたかなりの部分は子どもをもうけるだろう。しかし、彼女の配偶者(夫)もまた、専門的な職業についている場合が多いだろう。
しかもその場合、その夫・婦の職業上の赴任地が、異なることがかなりの確率で生じるだろう。その結果、二人はわかれて暮らし、現状では、子どもは、女親が育てることになる場合が多いだろう。じつは、私の「研究者業界」においては、このようなパターンが頻度化しつつある。
いわゆる「単身赴任」として言及されるのと同様のようにみえる。しかし、「わかれわかれであることが、かなり恒常的であること」「とくに、母子家庭の方に着目したい点」について、私の視点はこれまでの単身赴任論とは異なる。
このような「母子家庭化」は、当初は当事者の心理的苦痛を大きくするだろう。
しかし、やがては、「こうなることを予期し、織り込んだ」女性が出現するのではないだろうか。
すなわち、いまこの男と結婚しようと思うのだが、将来的にも一緒に住めるがどうかはわからない。その時、自分の方で子どもを育てることになるだろう。しかし、「養育費の確保」や、(子どもにとっての)世間体から、離婚はしまい、と、考えるような女性である。
結婚は、これまで、「同居」することを暗黙の前提にしていた。しかし、この前提がくずれる可能性が高いのではないか。で、同居しないのなら離婚すればいいようにも思えるが、こと「日本」にかんしては、「みんなが離婚する」ようにはならないだろう。このように、同居に固執しないが戸籍上の婚姻関係を留保する「リザーブ結婚」が増加するのではないか。
この点をあらかじめ(おおくは、半ば無意識的だろう)「読み込んだ」、「予期済みリザーブ結婚母子戦略」をとる女性が頻度化するのではなかろうか?。