K大生一・二年生によくみられる「致命的思い違い」に対する、個人的警告
 (付:学生さんによる夏休み語学留学体験記)
 

        法文学部人文学科現代メディア文化論教員 桜井芳生 著作権保持 (Yoshio SAKURAI.  all rights reserved   2001/12/15)
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こんにちは。桜井ともうします。ただいまロンドンで、この原稿をかいてます。

現代の日本では、急速に、「階級分化」が進行しているようです。とくに、「就職」でどのような会社・進路にすすむかによって、その人の階級がかなり決定されてしまうようです。

鹿児島大生の就職に対する意識はかなり出遅れています。

鹿大の学生は、採用活動がおわったころ、やってくる」とある有名会社の人事の方にいわれたことがあります。

具体的には、ジョブウェブhttp://www.jobweb.ne.jp/などの就職関連Webサイトに、一年生のときから、登録して、激化する就職戦線を「ライブ」で体験することをおすすめします。

ここ数年、就職のサポート活動をして気づいてことがあります。

それは、「就活を始めるまえまでに、一人で、飛行機にのった、回数と距離」にかなり比例して学生さんは希望通りの就職ができる、ということです。

ぜひ、大学一・二年の夏休み・春休みは、「一人で」外国にいきましょう。

とくにいきたところがないなら、米英に一ヶ月ほどホームステイ語学研修をおすすめします。

どうせいくなら、米英の大都市にいきましょう。もちろんテロなど安全には十分注意してください。

万一のことがあっても、私は責任をおえません。ただし、「安全だから」という理由で、田舎の学校にいくのもおすすめしません。

緊張感のない英語学校がおおいのも、注意。カリフォルニア大学のバークレー校かUCLAがおすすめです。

2001年の夏にバークレーに行かれた学生さんからメールをいただきましたので、以下ご紹介します。本稿は、字数の都合で言葉足らずになってしまいました。私のホームページ(上記)もぜひご参照ください。メルマガもやってます。
 

「肝心の留学の件ですが、西海岸だったこともあり、
テロの影響もほとんどなく、無事に帰ってくることができました。
最初は、ハンバーガーすらまともに買うことができず、はじめの一週間は
日本に帰りたいとばかり思っていました。
しかし、家でも学校でも町でも、英語を使わなければ何もできない
追い詰められた環境で、少しずつ克服することができました。

授業の内容は、リーディング・ライティングほとんどなしで、
スラングなども教える「超、実践重視」のカリキュラムでした。
アンケート用紙を渡され、「街で3人にアンケートするまで帰ってくるな」
と言われることもしばしば。。しかも、2人一組で、パートナーは
台湾人か韓国人なので、どこでアンケートするか、という作戦会議も
たどたどしい英語でしなければならない徹底ぶりでした。
また、宿題も山ほど出て、それもスラングの意味を問われたりするもので、
ホストマザーに質問する必要があり、家でも勉強していた感じでした。

ルームメイトは神戸から来た日本人でしたが、隣の部屋に台湾人の女の子が
いたため、家でも基本的に英語を話していました。
それでも、はじめの2週間は、何を言われているのか全然分からず、
部屋で一人悩んでいたこともありました。
ところが、3週目のある時、何か皆で冗談を言い合っていたときに、
気がつくと自分が皆と同じように、(もちろん、単語力はそのままですが)
英語で冗談を言えていたのです。
これにはホストマザーも驚いていましたが、一番驚いたのは自分自身でした
それまでは、英語に対して、必要以上に身構えていたのだと思います。
それで、耳に入ってきた英語を、分解して、訳して、答えを考えて、
それをまた英語に訳して、何とか話す、という状態でしたので。
でもそれでは、テストでは合格でも会話が成立しません。
言葉にするのはものすごく難しくて、わけの分からない文章に
なってしまいましたが、感覚として、英語を捉えることができた、
という表現が適切かもしれません。
もちろんそれで英語をマスターできたなんて都合のいい話はありませんが、
それからの一週間、少なくとも日常生活で困ったことはなかったと思います

そして何よりも、この留学でプラスになったと思えることは、
そこで出会うことのできた友人たちの存在です。
特に関東の学生たちは、就職などについて、僕よりもはるかにシビアな
考えを持っていて、「お前の考えは甘い」と指摘されたこともありました。
そして、何人かの友人は、「ウチに泊めてやるから東京に出て来い」と
誘ってくれました。
もちろん、僕は近いうちに行ってみようと思っています。
また、テロをきっかけに、政治や経済について話したこともありました。
彼らと対等に話ができたことは、大きな自信にもなりました。

最高の環境で、最高の仲間たちと過ごした幸せな日々を活かせるよう、
残りの学生生活、そしてその後を、大事にしたいと思っています。
英語で言うなら Keep in touch ですね。

先生もお体には気をつけてくださいね。 
ではまた。。。」

(申し込み先・大学生協。カリフォルニア大学バークレー校エクステンション・四週間)
 

では、充実した大学生生活をおすごしください。謝謝!!

(本稿は、鹿児島大学の共通教育の学生さんむけに、とくに、書いたものです。私の既存稿と一部主旨が重複している部分があります。ご寛容ください)。

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