学生さんCさんによる、TOEIC850点獲得勉強法  040824著作権保持

(ご連絡は、鹿児島大学教員 桜井芳生 におよせください。
sakurai.yoshio@nifty.com
http://member.nifty.ne.jp/ysakurai/)

TOEICの学習法を紹介したいと思います。分からないことがあれば、きいて下さい。答えられる質問には答えますよ。
【準備】
 まず、以下の5点を揃えます。
 @『TOEICテスト900点TOEFLテスト250点への王道』(杉村太郎・著、2001、ダイヤ  モンド社)
 A『CNN English Express』の今月号
 B電子辞書(出来れば、リーダーズ英和辞典搭載のもの。「リーダーズ以外の日本  の英和辞典には間違いが多すぎる」とゴウ・マーティン先生が言ってま した。僕  の電子辞書はジーニアスという非常に悪評高い英和辞書を搭載しているので、そ  のうち買い替えようかと思っています)
 C75mm×125oのKOKUYOの情報カード(1パック100枚で250円)を、とりあえ  ず1000枚分ほど
 DポータブルCDプレイヤー

 以上5点に加えて、野口悠紀雄の『「超」英語法』(2004、講談社)があればなお良いです。但し、野口教授のこの本は優れた内容ですが、単語の暗記法 とリスニング学習法に関しては、後述するような欠陥があります。
 また、杉村[2001]も、リスニング対策に関しては『「超」英語法』と同様の欠陥があります。

【単語の暗記法】
 杉村[2001]のp.62以下を真似して下さい。カードをガンガンつくっていくのです。つくったカードは常に持ち歩き、暇な時に眺めます。暗記すべき 単語の優先順位の目安も、杉村[2001]に書かれています。
 僕は、未知の単語に出会う度に電子辞書を引いて、その単語の重要度が低くない限り片っ端からカード化していましたが、今にして思うと、このようなやり方 は非効率的でした。やめましょう。
 野口[2004]は、単語カードを無意味だと言い切り、単語カードによる学習については何も触れていないところに欠点があると思います(単語カードが無 意味でなくなるような例外も紹介していますが、その例外は、実は杉村[2001]がやっていることです)。

【リスニング対策】
 これは、TOEICの大問1〜4の対策となります。
 桜井先生からご教示いただいた「ディクテイション」が効率的ですので、それを紹介します。

 @まず、『CNN English Express』のCDトラックのどれか一つ(自分にとって聴き取りやすそうなところ)を一回通して聴いてみます。
 A次に、そのトラックをもう一度聴きます。このとき、聴き取った内容を紙に書き取ります。CDを、途中で何回一時停止してもいいです。
 B自分が書き取った英文と雑誌に書かれている正しい英文とを比べて、自分の書き取れなかったところや聴き間違えたところをチェックします。自分の聞き間 違いなどがあれば、雑誌本文中のその箇所にアンダーラインを引きます。
 Cチェック済みの雑誌英文を見ながら、もう一度そのトラックを聴きます。

 以上の作業によって、自分にはどのような音声が聴き取れないのかはっきりしますし、「この語はこういう風に聴こえるのか」といったこともよく分かりま す。TOEICのリスニング問題を聴き取れるようになるまで、一日最低一時間をこの作業にあてます。
 杉村[2001]も野口[2004]も、「ただひたすら聴きまくれ」というだけでディクテイションには触れていませんが、リスニング対策にはこの方法が 一番いいような気がします。
 CNN English ExpressのCDはポータブルCDプレイヤーに入れて常に持ち歩き、暇なときに聴くようにします。
 また、メディアコース3年生の鈴木マイさんを経由して、桜井先生が「魔法の英語CD」の貸し出しを行っています。こちらの方が、「暇なときに聴く」とい う流し聴きには向いているかもしれません。

【文法対策】
 これは、TOEICテスト大問5,6にあたります。
 杉村[2001]を真似して下さい。高校時代の文法書で基礎固めをした後、市販のTOEIC問題集に載っている文法問題1500問分を解き、条件反射で 機械的に答えが出てくるようにします。

【読解力対策】
 これは、TOEICテストの最後であり最難関でもある大問7にあたります。
 やはり、杉村[2001]を真似して下さい。市販のTOEIC問題集に載っている大問7のパッセージを200問分ほど繰り返し読み、英文に慣れるように します。
 但し、TOEICのビジネス英語は非常に退屈なので、時々は自分の好きな洋書を買って、それを読んだりした方がいいような気がします。

【まとめと感想】 
 以上、単語暗記とリスニング対策を重点的に、TOEIC全7パートの対策法を紹介しました。以上の学習法をまとめると、「基本的には杉村[2001]の やり方を真似しつつ、リスニングについては桜井先生のやり方を真似する」ということになります。以上のような学習を日々継続すれば、最短3ヶ月・最長6ヶ 月でTOEIC800点を取れるでしょう。そのような短期間の内に集中して労力を投入するのが最大のミソだと思います。
 ただ、以上の勉強法はあくまでTOEIC対策に特化したものであり、他の英語検定試験にはおそらく使えないと思います(僕はTOEIC以外受けたことな いので正確には分かりませんが)。また、以上のような勉強法によって実際に使える英語力が身につくかどうか、かなり怪しいです(僕は海外経験ないのでこれ また正確には分かりませんが)。さらに、TOEICのテスト形式が数年以内に改革され、スピーキングとライティングのパートが導入されるようですが、その ような新TOEICに以上のような勉強法が通用するかどうか、かなり怪しいです。
 僕自身は今まで以上のような英語勉強しかしてこなかったので、そろそろやり方を見直そうかな、と思い始めています。やっぱり、英語圏の外国への留学が、 最高の英語勉強法なのかなあ?分からんけど。