【ナンバリングされた、反問→返答方式論文構造設計表】(桜井研究所通信 980114)

              桜井芳生
                  sakurai.yoshio@nifty.ne.jp
                  http://member.nifty.ne.jp/ysakurai/

私桜井は以前から、駿台文庫『論文ってどんなもんだい』を高く評価し、そこで の「論文構造設計表」を学生さんに課してきました。

これはとても「いい習慣」となりました。が、論文構造設計表の「問い→答え」 が必ずしも主要命題をめぐるひとりディベートとならずに、たんなる連想ゲーム になってしまう傾向もみられました。

それで、「ナンバリングされた、反問→返答」方式論文構造設計表(仮題)とい う「修正案」をかんがてみました。

この修正案に関しては、以下の実例をみていただくのがはやいと思います。

いかがでしょうか?。謝謝!!

(なお、命題番号は言及する(反問する)ものにのみふればいいようにも思われ ますが、「あとで、前の命題に言及する必要を思い付く」ことが多いと思います ので、機械的にすべての命題に追い込みでふっておくのがいいと思います。)

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【主要問題】「論文構造設計表」は、修正すべきか?

【主要回答案=主要命題=イイタイコト=結論】「〜への反問→返答n」という 形式に修正すべきである。1

【1への反問】その形式の具体例はなにか?

【返答】まさにこの論文構造設計表である。2

【1への(第2の)反問】なぜオリジナルの論文構造設計表を修正するのか。

【返答】せっかくの「問い→答え」という問答形式が、主要命題をめぐる一人デ ィベートにならずにたんなる連想ゲームになることが多いからである。3

【3への反問】修正された形式では、たんなる連想ゲームにならないのか。

【返答】第一に、「問い→答え」を「反問→返答」に変えたことによって、第二 に、「問い」を「〜への反問」と変えたことによって、たんなる連想ゲームにな りにくくなる。4

【4への反問】4の前半について説明せよ。

【返答】たんなる「問い」ではなく「反問」とすることによって、主要命題なら びに途中の命題(回答案)への、ディベートになりやすくなるわけである。5

【4への(第2の)反問】4の後半について説明せよ。

【返答】主要命題ならびに途中の命題(返答)にナンバーをふり、どの命題に対 して反問しているのかを、そのナンバーを明記することで、自他に明確に示すこ とができる。こうすることで、主要命題ならびに途中命題にかんするディベート から乖離しなくなるわけである。6

【1への(第3の)反問】この修正された方式にデメリットはないのか?

【返答】ある。オリジナルにくらべて若干煩瑣である。慣れればそれほど面倒で はないが、とくに教える際には、少し面倒であろう。しかし、メリットはこのデ メリットを補ってあまりあると思う。7

【1への(第4の)反問】この修正された方式には、名前はないのか?、

【返答】考慮中である。「ナンバリングされた、反問→返答」方式、「桜井版論 文構造設計表」などはどうであろうか。8

【1への(第5の)反問】この「ナンバリングされた、反問→返答」方式論文構 造設計表を簡潔なルールにまとめらられないか?。

【返答】ルールにまとめると以下の通りとなる。9

(1) まずはじめに【主要問題】を書く。
(2) つぎに【主要回答案=主要命題=イイタイコト=結論】をかき、その文 末に命題番号1と記入する。
(3) 以下どの命題(返答)への反問かを明記して【〜への反問】と書く。
(4) そのすぐしたに、その反問への【返答】を書き、その末尾に命題番号を 順に(追い込みで)記入していく。
(5) 以下(3)(4)のくりかえし。

以上。

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