【「動物のお医者さん」的=宮台現象を覚悟せよ】(桜井研究所通信971120)

          桜井芳生
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【主要提議】マンガ「動物のお医者さん」を読んで獣医科に進んだのと同様に、「宮台真司さんのテレビを見て、社会学を志望しました」という学生が増えることを、覚悟しましょう。

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先日、日本社会学会に一日だけ出席した。日程の半分だし、すべての部会を見ることは不可能だが、(ただし、すべての部会の発表要旨は、冊子でみることができる)

最近の宮台真司(敬称略ご容赦)の活動ならびに、宮台真司が売れているという社会現象、について、関心意識をもっている社会学者が、非常にすくないような気がした。

宮台の著作の一部にかなり明確にかかれているように、宮台は自分の最近の活動を、(ルーマン的な)「社会学的啓蒙」と考えているようである。(たとえば、269頁「制服少女たちの選択」講談社1994)

が、日本社会学会で、いわゆるルーマン研究者(その一人はまさに「社会学的啓蒙」について発表なさっていた)の何人かとはなしてみたが、どうも宮台の活動は視野にはいっていないようだった。

まあ半ば予想していたけど、がっかりした。

俗説では、マンガ「動物のお医者さん」によって、北大の獣医学科の志望者が増加したという(このハナシは、ほんとに、ホントですか?。)

それと同様に、今後は、「宮台真司さんのテレビを見て、社会学を志望しました」という学生が増大(ほとんど?)するだろう。

(じっさい、昨日私の大学で、進級の面接をしたら、宮台に興味があったのでこのコースを志望した、という学生が何人もいた)。

このような「動物のお医者さん」的=宮台現象、について、社会学教師たちは、「覚悟」ができているのだろうか?

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