桜井芳生
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960928主要命題:自殺者の本のブームは「死者のアウラ」の利用ではないか。
最近、太田出版の「クイック・ジャパン」系その他で、自殺者の書いたものを本 にするのが少しはやっているようだ。
これは一つには、「なにもかもが見慣れて」しまった現在において、「死者」の 書いた文章が例外的に「アウラ(オーラ)」を産出するからかもしれない。
しかし、イエスやソクラテスや近くはフーコーの例を想起するまでもなく、死者 をありがたがるというのはありふれた現象である。
川田龍平氏も、いわば「生きている死者」として祭り上げられているといえるか もしれない。
「文化的稀少性」の産出「手口」としての「死者の利用」に注意したい。